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対話指向英語スピーキング能力自動判定システムの開発

能力判定対話エージェントシステム InteLLA(Intelligent Language Learning Assistant)

InteLLAは,対話システム技術を活用して言語学習者のレベルや理解に合わせて質問を適応的に変更し,適切に発話サンプルを引き出し,言語能力を効果的に評価します.

これまでに行われてきた英語テストの多くは,読み上げ型のようなものが主であり,「会話能力」の測定の妥当性に欠ける場合がありました.InteLLAは自然なターンテイキングや非言語的なインタラクションを通して自然な会話を実現し,学習者の潜在的な会話能力を発揮させることを促します.その状況のなかで初めて,リアリスティックな会話における言語運用能力が測定できると我々は考えています.

評価レポートでは,言語能力判定の国際標準であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に準拠した多次元的な評価を行います.

最終的には英語学習者が各自のラップトップやタブレット,あるいはVR/AR経由でAIエージェントと会話しながら英会話能力判定を行うことを想定して,人間の能力判定者が受講者と会話するときと同等な自然さで会話を行える対話システムを開発しています.早稲田大学知覚情報システム研究所が得意とする,言語理解・生成,対話制御の各モジュールを構築しています.

インタビューデモ

英語学習者のスピーキング能力を正確に測定するためには,学習者の言語能力を十分に表現する音声サンプルを引き出すことが重要です.InteLLAは,ユーザの英語力をリアルタイムに予測し,会話タスクの難易度を調整するとともに,ユーザの言語的な上限を特定できるように破綻をモニタリングします.ユーザーに10分間のインタビューを行い,国際標準尺度であるCEFRを用いてユーザーの会話能力を評価することができます.

[参考文献] 佐伯真於,松浦瑠希,鈴木駿吾,宮城琴佳,小林哲則,松山洋一,InteLLA:適応的な質問戦略を有するスピーキング能力判定会話エージェント,人工知能学会 第12回対話システムシンポジウム,2021年11月29日(若手優秀賞受賞

説明可能な深層学習モデル

英会話能力判定は一般的に判定者の知識と経験に大きく依存してしまう属人性の問題がありました.そこで本研究開発では,英会話能力判定の枠組みをニューラルネットワークの構造に予め組み込むことで判断過程を説明可能とした上で,能動学習の枠組みを用いて,AIが能力判定の確信度が低いと判定した事例から優先的にその判断根拠も示して経験豊富な人間の判定者に最終判断を下してもらうような,人とAIが協働し共に成長する枠組みを提案します.

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